大学生の時のお話です。
大学の日常は勉強漬けの日々。
特に初期の頃は勉強に追いつくのに必死でヒィヒィ言いながら毎日自習していたものです。
そこまで勉強しているとやっぱり溜まるんですよね。
ストレスが。
当時の自分はバイクにどハマりしていたので、バイクに乗って流したり大自然に一人で行くのが最高の癒しでした。
当時の相棒はCB125T。
乗り出すと不思議なもんで勉強の事は一旦忘れてしまうのです。
そして山奥に一人で行ってラジオを聞いたりするのが好きでした(根暗)
最近のアウトドア漫画は面白いしおしゃれだ。
今でこそアウトドアブームでアニメ、漫画で取り上げられたりしていますが当時はあんまり周りでアウトドアな事している人はいなかったかも。
私自身は高校の友人i君がかなり本格アウトドア(いやサバイバルといった方が正しい)で彼の影響で目覚めた趣味かもしれない。
ゆるキャン△は見よう見ようと思いつつ実は未だにしっかり見れていない…
漫画アプリで数話だけ無料で見たことはある。面白いよね。ほのぼの系だった。
しっかりご飯つくって、のんびりするというキャンプをしてみたい。
山と食欲と私はめちゃくちゃハマった。
読むと登山したくなるし、出てくるご飯もおいしそう。
山以外にも観光スポット知れるのが楽しい。
鎌倉アルプスの存在を知れたのもこの漫画のおかげだ。
2つともしっかり事前に準備して、計画立てて、道具を揃えてご飯を作って….すごい。
今でも憧れる。ちゃんとしたキャンプをしてみたい!
自分のしていたことはそこらへんに寝るだけのもの
自分自身キャンプ場に泊まるという概念がなく、適当な山に入ってテントを張って寝る。といったテント野宿がメインだった。
昨今のアウトドアブームで、会話の流れで「アウトドアですか?僕も学生の時テント張って寝てましたよ〜」なんて会話をすることが非常に多くなった。
しかしキャンプ場には泊まったことがない旨を言うとみんな「????」となって若干変な感じになる。
どうやら、そこらへんの山や寂れた山の駐車場などで寝る事は世間一般的ではないようだった。
恥ずかしい。非常識社会人。
これだからゆとりはって思われる….
しかも社会人になってからそういった行為はグレーゾーンであることを知った。
完全に犯罪でもないけど条例でダメだよって書いているところもあるようだ。
今回は学生時代の野宿(いわゆるキャンプ場以外での野営)でのちょっと怖かった話を思い出して書いていきます(前置き長すぎマン)
某峠の公衆トイレの前で野宿したお話
これは某峠でのお話です。
そこは山奥の中でしたが、常時明かりのついた公衆トイレと広々した駐車場が特徴的でした。
長距離移動でヘロヘロになった私は、峠道山道を降りた先の街で温泉に入ってから泊まる当てを探しましたが、もうかなり夜遅く今更宿に泊まったりするのも気が引けていました。
何より大学生は金がない。
たかが数時間寝て泊まるのに数千円も出せない….これが一番の理由ですな。
当時降りた先の街はホテルなども見当たらない。
漫画喫茶なんてものもあるはずがなく、行き当たりバッタリの私の旅ではもう野宿するしかないなと思っていました。
最初からそうなっても大丈夫なようにテントも寝袋もバッチリ持っていました。
初めてアウトレットで買ったテントと寝袋をバイクに括り付けて走っていた。
正直心は最初からそこらへん泊まる気満々だったね。
テントはどこかに泊まれない時の予備として買い揃えたものだったが、本末転倒な事にテントを使ってみたい欲の方が大きくなってしまったのだ。
本気で宿探しなんかしてなかったな。
考えてみたら山の道中にかなりいい感じの駐車場あったじゃん!と思い出し、街からまた暗闇の山に戻るのです。
当時はまだ野宿未経験だった私はあまりの暗闇に恐怖を覚えます。
暗い暗すぎる….
そこで常時明かりのついているトイレ前のスペースにテントを張ってみました。
ほんのり明るくていい感じ!!
何より組み立てたこともないテントを真っ暗闇で組み立てるのは無理だったのでトイレの明かりは神の後光に近く感じた。
ちなみにテントはどちゃくそ簡単に組み立てられた。
ポンっと投げれば骨は半自動で入るしそこにテントのシャリシャリ(最高に素人臭い)を通して行くだけ。
祖父とキャンプした時に組み立てたテントはマジで難しかったから、今回このテント買ってよかったわ!って満足だった。ムーンライトテントって名前なんだけど由来も確かあって月明りでも組み立てられるよって意味だった気がする。
実際はトイレライトで組み立てたがなガハハハ(おっさん)
配置はこんな感じ今でもすごい覚えてるな。
建物のコンクリートとバイクの間にテントをねじ込む事で左右が壁となり絶対的安全領域(心理的)を生み出した。
この守りはまさに鉄壁。
難攻不落ランキング一位の大阪城にも引けを取らない完璧な配置である。
難点はトイレが近すぎる事だが….
さて荷物もおろし楽な服に着替えあとは寝るだけ。
トイレにでも行くか!とテントから徒歩5歩程度の最高の立地(くさそう)を堪能しつつトイレに行き用を足す。
ふーーって手を洗っていると張り紙が目に飛び込む。
「平成◯年◯月◯日◯◯(この駐車場の名前)で◯◯さんが連れ去られたと思われ、行方不明です。情報をお持ちの方は〜」
え……..こわすぎる….
でかでかと顔写真まで貼られていて、そこには若い女性の顔。
寝る前になんてものを見てしまったんだ….と後悔しつつ震えながらテントに戻る。
もう頭の中にはさっきの張り紙の女の人の顔が離れませんでした。
正直場所を変えようとも思いましたが、今更テントをしまって移動するのも大変。
そして街灯が全然ない峠道。完全に道は暗闇に呑まれ真っ暗。
無理だ….今から移動はそれはそれでこわすぎる。
諦めて夜をここで過ごす事に。
片っ端から友達にメールしたりして山奥に来て人との接点を絶ったのに自ら人と接しようとする矛盾を行う。
そしてさらにラジオをカチッとつけて気を紛らわす。しばらくすると不思議なもんで怖さは消えていく。
そろそろ寝るか….
消灯….怖いくらいに音がしない。
駐車場のため山奥の中でこの区画だけ広々とコンクリートになっている。
そのせいか虫の音もしない。
そのうち私は眠ってしまった。
……..フォン…………フォン……..フォン….
なんか遠くから音がし始めてウトウトしながら目覚める。
時計を見るとまだ深夜。なんの音だよ….と思っていると
フォン….フォンフォン….フォンフォン….
なんかさっきより音が近くなっている気がする….
最初本気でなんの音か分からなかったが、近づいてくるにつれてどうやら空ぶかししまくっているバイクの音ということがやっとわかる。
フォンフォンって書くと四気筒的な音に感じるかもしれないが実際はもっともっと低音
フォンフォン….フォンフォンフォン
めちゃくちゃ荒ぶってんなーこわいなーこわいなー
って他人事のように聞いていたが、だんだん近づいてくる多数の騒音に
あれ、まさかこいつらここに来るんじゃ
という一抹の不安がよぎる。そしてそれは的中する。
フォンフォンめちゃくちゃうるさいバイクが数台
さすがに何十台もいないと思う。
しかし心理的にめちゃくちゃいるように聞こえるんだなコレが。メンタリズム
駐車場に入ってきてフォンフォン言いながらグルグル回っているようだった。
いつまでも止まる気配がしない。
回り過ぎだろ。
そしてめっちゃコール切ってる。(コールのメロディはもう忘れてしまった、メロディも覚えておけば、人に話す時にもっと面白くできたのになって今でも思う)
そう、暴走族だった。
やべぇぇえめちゃくちゃこええええってテントの中で怯える私。
そしてクソうるさい。めちゃくちゃ騒音。
このままどっか行かないかな….なんてテントの中で息を潜めていると
スン….と静かになる。どうやら全員バイクをキーオフにしたようだ。
再度静まり返る駐車場。逆にこわい。
もう口でいいからフォンフォン言ってくんねぇかなって思うよ。耳を大きくして息を潜めていた。
ザッザッザッザッ…複数の足音だけ近く。
どうやら私のいる位置より比較的遠くに駐車してくれたみたいだ。
なんか話しながらこいよ….なんで無言なんだよ….と逆にめちゃくちゃ怖くなっていた。
私はアホみたいだが調理用ナイフを握りしめていた。
今書きながら思ったが、テントの中で息を潜めてナイフ握りしめている奴の方がこわい。
狂気。
暴走族A:うわっっ!こんなとこに人が泊まってるよ!!
暴走族B:ぉぉ….ほんとだ(なぜか小声)
Bは多分いい奴。きっと今はいいお父さんしてると思うよ。そしてこれで会話は終わる。
やっと口を開いてくれた族たち。どうやら向こうを逆に驚かせてしまったようだ。二人だけ来たようだ。
私はこのタイミングで出て行って
やぁ!ツーリング(笑)ですか!いいですね!何乗ってるんですか!(超爽やかボイス)
って爽やかに話しかけようとも思ったが、相手の顔や容姿が見えないのがめちゃくちゃ怖くてやめた。
頼むからテントに火だけはつけないでくれ〜と祈りながら息を潜めていたら彼らは普通にトイレに入っていって普通に出て、普通にフォンフォンフォンフォン言いながら帰っていった。
そう。何事もなかったのだ。
どっと疲れが来る。
ハァハァ….最高に生きてるって感じがするぜ….(ある意味サバイバル)
この痛烈なテントデビューを機にそこらへんテント野営にどっぷりハマるのであった。
生きていて旅をしていると小話もあるもんです。一個の話で4000文字近くいってしまったので別の話はまた今度書きます。
社会人になってから全然テント開いてません、カビてそう。
カビライトテント。
おわり